ABS樹脂

こんにちは、松澤です。

今日は業務用漆器では大変メジャーなABS樹脂について
お話させていただきます。

ABS樹脂とは

ABS樹脂は比較的弾力性のある素材です。
そのため割れにくく、安価で、安さが求められる場での業務用漆器としては最適です。

プラスチックは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の2つに分けられます。
ABS樹脂は熱可塑性樹脂に分類されます。

熱可塑性樹脂は一度材料を一度溶かして機会で型に流し込み冷やして成形されます。
ですので、流し込む際にできる注入口と呼ばれる穴が必ずどこかにできます。
その注入口が目立つところにできているものもあれば、目立たないようにしているものもあります。
目立つと安っぽく見えてしまうのでできれば目立たないほうがいいと思いますが、
商品の中央にあった方が材料が均一になりやすい為、目立つのを承知で中央にある場合が多いのです。

ABSゲート
ピンゲートとダイレクトゲートの2種類あり、ABS樹脂製品と判断する材料の一つです。



熱可塑性樹脂は温度によって液状になったり固体になったりするのでリサイクルが可能ですが、温度には弱いといえます。
バージンよりもリサイクルされた再生材料の方がより弱くなります。
※バージンは混じり気のないものですので、生地自体も綺麗です。

ABS樹脂は安価で割れにくい分、業務用に向いていますが、
食器洗浄機を使用する場合は温度に注意が必要です。
ABS樹脂の場合耐熱温度が60度、
耐熱ABS樹脂の場合、再生材料のことを思うと80度で考えていただくと安心です。

ABS樹脂の利点として「丈夫さ」「安さ」の他に「塗料の密着性の良さ」が挙げられます。
塗料の溶剤で樹脂を溶かして密着するためです。

今日は堅いお話になってしまいましたが、現在はいろいろな素材が開発されています。
またお伝えしていけたらと思います。