漆と化学塗装

ここ数日、30度前後の気温が続き、暖かいを通り越してしまった毎日です。体調管理が大変ですよね!

こんにちは、大石です。

先日、すごく久しぶりに神戸まで出張しました。
福井から神戸は2時間半くらいです。
神戸というだけでお洒落な感じがするのは、普段田舎に住んでいるからでしょうか(笑)たまに、お洒落な街を歩くのも悪くないなと思いました。
ただ、普段は車で移動の生活に慣れているため、都会へ出張するといつもの何倍も歩き、足が棒になります(*_*;

さて、今日は漆器の塗装についてです。


漆塗りのお椀

漆器とは漆塗りなの?

読んで字のごとく、と書いて漆器(しっき)ですね。

漆器といえば、漆で塗ってある比較的高いイメージが一般的ではないでしょうか。

ところが、業務用で扱う化学塗装製品も漆器と呼んでいます。
これが本当に正しいのかどうなのか、私にもよくわかりません(^-^;


漆と化学塗装の違い

漆の原料は漆の木から採れる樹液で、天然の素材であるのに対し、化学塗装は人工で造られたものです。

現在、国内産の漆は非常に少なく貴重なもので、国宝級の建物などの修繕に使われているそうです。

漆は、ゆっくり乾き、より丈夫になっていくという特長があります。
ですので、塗るまでにも時間がかかりますが、塗り上げてから最低でも3ヶ月から半年は寝かせておく(そのまま保管しておく)ことが望ましいです。
また、漆には透けるという性質があるので、年月を経て徐々に明るく変化していきます。これを経年変化と呼びます。

また、漆塗りの漆器は、お値段も高めです。


化学塗装

化学塗装は、大量生産、納期短縮といったニーズに合った塗装です。
塗って焼付乾燥機に入れることで、すぐに使うことができます。

お値段もとてもお安いものから、漆塗りに匹敵するくらいお高いものまでさまざまです。

また、漆と比べると塗り色のバリエーションが豊富です。

すべらない加工、傷が目立たない加工などさまざまな技術が開発されていますので、利便性の向上に役立っています。

ただし、漆のように徐々に丈夫になっていくのではなく、塗りあがったときが一番美しい状態で、後は経年劣化していきます。


個人的な考えとして、私は普段家庭で使うお椀などは漆塗りのものを使いたいですが、業務用としてお店などで洗浄機に入れて使うような食器は化学塗装の漆器が合っていると思います。

チェーン店など多くの従業員さんが使われるようなところでは、漆塗りの器は向きません。

利点・欠点をよく理解して、使い分けることが大切です。