ノンスリップ(滑り止め)盆の修理~その後

大石です。

前回のブログ2月1日付け「ノンスリップ盆の直し」のその後についての話です。

塗り加工(再度滑り止め加工を施す)に入りましたが、
加工をお願いしているところから、
「仕上がりの思わしくないのが出てきた」
と連絡が入り、すぐに商品の仕上がり具合を見に行きました。

具体的には、

穴が空いた状態=ハジキ(油分が十分に取り除かれていない)
ハジキ

ゴミが付着している状態=(ノンスリップ盆に付着している、肉眼ではわかりずらい埃)
埃が付着

など、それらを取り除くことが、「洗い研ぎ」では十分に行えなかったということが理由に挙げられます。

このお盆は地木目盆(じもくめぼん)と言って、素材自体に凹凸のある木目が施されているため、完全に油分を落とすのは難しいです。

お盆の購入時期もまちまちだったり、保管状況で、頻繁に使うものと使わないものがあり、比較的新しいものは、きれいな状態に仕上がっていますが、古いものは長年の油分がノンスリップの塗料にこびりついていて、ハジキの原因になってしまいます。

新しいお盆に滑り止め加工を施す場合の工程は、
①黒の塗料とノンスリップの塗料を調合して塗る場合と、
②下に黒を塗って、その上にノンスリップ加工を施す場合
があります。

①は、「黒を塗って⇒焼き付け⇒透明なノンスリップ塗り」の工程を1度に塗ってしまう効率の良い塗り方ですが、今回のような塗り直しの場合、②の最初に黒を塗ってみて、下塗りの状態で良し悪しを確かめる必要があります。

実際の所、塗った場合どの様に仕上がるか?事前に肉眼では分かりえない点が多いのです。

数多くのお盆をすべて塗らず、途中で確認の電話をいただいた職人さんにも感謝しています。

この職人さんも「より良い商品を仕上げたい」と、こだわりを持っている職人さんだからこそ、数枚塗った段階で連絡をくれたのだと思います。

今回、お客様に状況を説明・確認してもらった上で、どう対処してゆくか?を相談しました。

「所詮直しだから」と言われる場合もありますが、できる限り新品に近い状態で再生させたいものです。